頭が真っ白になる。
これは本当にいろんな場面で起こります。
言うまでもありませんが本当に真っ白になるわけではなく、明らかに思考が止まっている、目も見えてるし耳も聞こえているのに何も入ってきません。
本記事では、頭が真っ白になる理由を考えていきます。
頭が真っ白になる理由
「頭が真っ白になる」とは一般に、緊張やストレスによって思考が一時的に停止してしまう状態を指します。
脳の話になりますが、いきなり過剰なストレスを感じると、思考や判断を司る前頭前野の働きが抑制されるため、起こると考えられているようです。
海外だと「mind blanking」と言われているようで、いくつかの研究を見るとなかなかおもしろい結果が出ています。
以下はフランス国立保健医療研究所とパリ脳研究所の神経科学研究者、トーマス・アンドリヨン氏のコメントが掲載されている記事です。
「人によっては、ちょっとした心の揺れのような感じで、突然何も思い出せなくなるのです。」
「でも、『何か忘れていた』という感覚とは違います」
多くの場合、人は「今、何を考えていましたか?」と尋ねられるまで、この喪失に気づきません。
「私たちがランダムに話を遮ると、明らかに本人が思っているよりも頻繁に起こります」
この現象の頻度は個人差があるものの、様々な研究によると、人は起きている時間の約5%から20%をこの状態で過ごしている可能性があると示唆されている。
この話では何かが起こったときに急に頭が真っ白になる、というだけでなく、意外と普段から頭が真っ白になってることもあるよということになりそうです。
マインド・ブランクの研究はまだ初期段階ですが、アンドリロン氏とデメルツィ氏は、深い睡眠中に見られる脳のパターンとの類似性が、その機能に関する重要な手がかりとなる可能性があると指摘しています。
つまり「頭が真っ白になっている状態」は「深い睡眠に似た状態」にある。そう考えているようです。
ではなぜ頭が真っ白になるのか。
ストレス下で頭が真っ白になる感覚は、コルチゾールなどのホルモンが体内に大量に放出されたときに起こります。olwcation.comによると、これらのホルモンは「脳の前頭前野と海馬に侵入し、神経活動と正常な脳活動パターンを乱す」とのことです。その結果、事実の検索方法や想起方法が混乱します。
コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの一種で、ストレスホルモンとも呼ばれます。ストレスや炎症に対処する役割があり、生命維持に不可欠なホルモンですが、過剰分泌は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
つまり緊張やストレスのせいでコルチゾールなどのホルモンが体内に大量に放出され、脳の前頭前野と海馬に侵入し、神経活動と正常な脳活動パターンを乱す。
仕組みは理解できましたが、こちらの記事には続きがあってそちらも興味深いので引用させて頂きます。
私たちの祖先は、捕食者と戦ったり危険な状況から逃れたりするために、この反応を必要としていました。「トラに追われているときや敵の攻撃を受けているときに、時間をかけて選択肢を検討するのは賢明ではありません」とTime.comは説明しています。本能が優先され、生存の妨げとなる脳の他の部分が脇に追いやられ、スペースを空けざるを得なくなるのです。ストレスの多い状況では、「脳は創造性、熟考、計画、抽象的思考に関わる皮質ネットワークを遮断する傾向があります」。野生のトラが逃げているような状況では良いように聞こえますが、スピーチをしている最中や試験を受けている最中の場合は良いニュースではありません。
これはおそらく「本能的な行動を優先するために思考が止まる」と言ってるようなものだと思うですが、頭が真っ白になってるときって体が動きませんよね?一概にすべての状況でそうだとは言いませんが、例えば道路を歩いていたら急に交差点から車が来た時、頭が真っ白になっても動けて回避できる人と固まってしまう人がいると思います。
どうやら同じような状態でも行動能力には個人差があるようで、動ける人と動けない人がいるのは仕方なさそう。覚醒レベルの問題や、過去のトラウマや個人のストレス耐性なども影響しているようです。
仕事上のストレスや緊張により、「思考停止」や判断力の欠如、自己疎外感などを引き起こし、結果として動けなくなる症状として認識されている「Functional Freeze(機能的フリーズ)」というのが海外のTikTokで話題になっているみたいですね。
改善や軽減が可能らしい
- 自分がどんな状況で起こりやすいかを記録すると、事前に心構えができ、緊張が和らぎやすい
- 息が浅くなり心拍数が上がると、脳は「危険」と判断してFreezeモードに入りやすくなるため深呼吸や軽いストレッチで身体の緊張をほぐす
- 考える工程を小さく分けて完璧な答えを即答することを目指さない
この辺りが改善方法として調べると出てきますが、個人差があるのは先述の通りですし、あらゆる場面で起こる以上は自然なことで無理に改善するものでもないのかもしれません。
改善が必要なケースはおそらく頭が真っ白になる状況が深刻な場合、例えば過呼吸とか身体に影響が出るような状況の話のように感じます。
まとめ
失敗しても大丈夫、と開き直ることも大切です。完璧を求めすぎず、今の状況を受け入れることで、プレッシャーを軽減できます。
緊張や不安を、ポジティブな感情に変換する練習などをしてみると頻度に変化があるかもしれません。
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